· 

梁瀬義亮医師との出会い。

梁瀬義亮医師の著作「生命の医と生命の農をめざして」を、涙ながらに読みました。

梁瀬医師は昭和30年代、急速に悪化し始めた農業者の健康状態に気づき、膨大な診療から、農薬が大きな要因であることを突き止めます。

農薬の影響を自らの体で確認し、農薬や化学肥料に農家も農協も夢中になっている時代に、その問題を社会に提起しました。

医者として忙しい診療の合間に、森の木々の様子をみつめ、なぜ生き生きとあり続けられるのかと疑問を感じ、森に入り、森の樹々と土の様子を目と鼻と触感で確認され、土づくり・堆肥づくりの研究をされます。結果、農薬や化学肥料を使わずに病害虫に強い野菜や果樹が育ちうることを証明し、仲間をつくり、直営の農場と直営の販売所をつくり上げられました。
梁瀬医師プロフィール

 

WWF(世界自然保護基金)機関紙に掲載された梁瀬医師のメッセージ
「愛する子孫の生存と幸せのためご尽力下さい。」
出典 愛する子孫 _ 財団法人慈光会(じこうかい)

 メッセージの一部を引用します。

膨大な費用と多くの学者や医師の努力にもかかわらず、又その治療効果の素晴らしさにもかかわらず現代医学は、病気と病人の数を減らすことは出来ません。反ってそれ等は、増加の一途を辿っています。現代医学は救急医学としては極めて優れていますが、結果的には「病気を治して病人をつくる」という欠点のある事が事実として現れています。現代医学が見落としている重大な事実があります。それは極めて多くの病気は独立して存在するものでなくて「誤った生活」という根の上に生えた雑草の如きものであるという事実です。病気を病気という時点のみで、然も主として工学的発想と方法で解決しようとする現代医学は、根はそのままにして地表に現れた雑草を刈る努力をしているにすぎないので、あくまで病気の一時押さえ的範囲を出でず病気と病人は雑草の如くいくらでも、且つより強力に現れてきます。救急医学的には極めてすぐれている近代医学に、「誤った生活の匡正による生命力強化」を目指した今一つの医学、即ち「病源を絶つ新しい医学」が加わってはじめて病気が克服され病人がなくなるのです。この新しい医学は農学、環境学、更には哲学や宗教とも密接な関係を持たねばなりません。